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理事長挨拶

日本登記法学会設立にあたって

このたび日本登記法学会理事会において初代理事長に選出されました。もとより微力ではありますけれども、理事長の職務を果たしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本登記法学会は、研究者と司法書士・土地家屋調査士の実務家を結集し、登記法の調査・研究の成果を共有することによって、登記制度の利用を促進し、行政への提言を通じて健全な発展に資することを目的としております。

登記制度は、不動産、商業・法人、債権・動産譲渡の現況の公示をすることで、迅速かつ安全な商業取引を保証し、また一方で違法また濫用的な行為から当事者の権利の保全を図ることによって広く社会の仕組みを支えるインフラストラクチャーとして機能していることは言うまでもありません。

ところが、意外なことに、これまで登記の研究者と実務家を架橋するフォーラムが成立しておらず、蓄積した知見を十分に蒐集することができないまま、断片化された情報をたこつぼ的に自家消費するしかありませんでした。

しかしながら、現在、登記制度は様々な社会変化の挑戦を受けています。IT技術の進展からは省力化、低コスト化、そして即時性。起業の促進から不動産担保への依存から脱却するために担保の多様化の要請。所有者不明土地に至っては相続登記の義務化により権利登記の任意性というこれまでの大原則が修正される可能性が高くなってきました。

私たちは、こうした急激な変化に対して受け身であってはいけません。しかし、大変革の時代に対して場当たり的に対応するのでは、これまで登記制度が獲得してきた信頼性、安定性をスポイルしてしまう恐れがあります。本学会の設立はまさにこの「乱世」と対峙すべく導かれた必然と言えるでしょう。

登記の機能・意義・目的一つ一つ解きほぐし、登記及び登記法のあるべき未来の方向性、それを担う実務家の将来像について熟議を以て理解を共有し、社会に向けて発信していく。本学会がその役割を果たすため、力を尽くしてまいりたいと思います。

平成30年12月9日
日本登記法学会理事長 七戸 克彦 (九州大学大学院法学研究院教授)