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研究会資料

設立趣意書

わが国には、100年以上の歴史をもつ登記制度があります。登記は国民の社会生活の上で必要不可欠な制度として定着し、取引の安全と円滑に寄与してきました。近年では、わが国も高度情報化社会を背景に、事後救済型社会としての法支配への転換が進む中で、今まで以上に国民生活を支える重要なインフラである登記の正確性、迅速性、明確性をさらに向上させることが求められています。そのためには、今日までの登記制度を検証し、国際的評価にも堪えうる学術的バックボーンが必要であると言えます。

一方で、インターネットの普及と情報保護という観点から、登記によって公開される情報の内容や公開のあり方について、改めて検討がなされる時期にきているものと考えます。さらに、来るべき相続法制や物権法制の改正を見据え、実体法のみならず手続法の側面からも、それらの未来像を探る必要があると言えます。

世界各国においても、高度情報化社会の進行とともに、各種の権利や法人等の公示制度の整備が急速に推進されているところです。特にアジア諸国の登記制度は、歴史的背景を踏まえた特徴があり、それらを比較検討することは、わが国の登記制度にとっても有用有益なものと考えます。

このような状況を踏まえ、私たちは、本日、「日本登記法研究会」を設立しました。
私たちは、登記制度の研究を推進するため、登記法のみならず民法や会社法をはじめ広く登記に関連する法制度の研究者や実務家の方々にご賛同、ご参加を呼びかけます。本研究会は、登記に関連する研究発表や情報交換の場を提供することを通じ、登記制度の発展に寄与することを目的とし、学術的研究と実務のコラボレーションを踏まえた活発な議論を行って参る所存です。
以上、本研究会の設立につきまして、ご理解とご協力をお願いする次第です。

2016年12月21日

日本登記法研究会
世話人代表 武川 幸嗣 (慶應義塾大学法学部教授)

日本登記法研究会規約

第1章 総則

第1条(名称)
本研究会は、「日本登記法研究会」と称する。
第2条(事務局)
本研究会の事務局は、世話人会で定める地に置く。
第3条(目的)
本研究会は、登記制度に関する諸問題についての調査、研究並びに啓発を通じて、登記制度の適切な利用促進を図り、もって登記制度の健全な発展に貢献することを目的とする。
第4条(活動)
本研究会は、前条の目的を達成するため、次の活動を行う。
(1)登記に関する法的問題の調査、研究並びに啓発
(2)研究会誌その他刊行物の発行
(3)シンポジウム及び講演会等の開催
(4)登記に関する諸問題に関する意見の公表及び国、地方公共団体等への提言
(5)内外の関連団体及び研究会等との協力体制の構築、連携
(6)登記に関する研究者及び実務家の育成、支援
(7)会員間の協力体制の構築
(8)日本登記法学会(仮称)の設立準備
(9)前各号に掲げるもののほか総会が適当と認める活動

第2章 会員

第5条(会員の資格)
本研究会の会員は、登記に関する実務又は法的問題について研究を行う個人で本研究会に入会した者とする。
第6条(入会・退会)
(1)本研究会に入会を希望する者は、世話人会に入会申込書を提出し、承認を受けなければならな
   い。なお、会員の入会申込については会員2名の推薦を得なければならない。
(2)本研究会を退会しようとする者は、世話人会に退会届を提出しなければならない。
第7条(会費)
(1)会員は、会費を納めなければならない。
(2)会員が納付すべき会費は別に世話人会で定める。
第8条(除名)
会員が次の各号の一に該当するときは、総会の議決を経て、これを除名することができる。
(1)滞納した会費を世話人会の指定する日までに支払わなかったとき
(2)本規約に違反したとき
(3)本研究会又は他の会員の名誉を傷つける行為のあったとき
(4)その他本研究会の目的に反する行為のあったとき

第3章 総会

第9条(総会の種別)
本研究会の総会は、通常総会及び臨時総会の2種類とする。
1.通常総会は、毎事業年度に1回開催する。
2.臨時総会は、次の各号の一に該当する場合に開催する。
 (1)世話人会が必要と認めたとき
 (2)会員の5分の1以上から会議の目的を記載した書面により世話人代表に対し招集請求があった
    とき
 (3)監事から招集の請求があったとき
第10条(総会の招集)
1.総会は、世話人代表が招集する。
2.世話人代表は、前条第3項第1号の場合には世話人会の決議の日から、同項第2号及び第3号の
  場合には招集の請求があった日から30日以内に臨時総会を招集しなければならない。
3.前項の場合において、世話人代表が期限内に臨時総会を招集しないときは、前条第3項第1号の
  場合には世話人副代表が、同項第2号の場合には招集の請求をした会員の代表者が、同項第3号
  の場合には監事が臨時総会を招集することができる。
4.総会を招集するには、会議の日時・場所・目的及び審議事項を明らかにし、少なくとも会日の1
  4日前までにその旨を会員に対し通知しなければならない。
第11条(総会の構成員)
総会は、会員をもって構成する。
第12条(総会の議長)
総会の議長は、総会で選任するものとする。
第13条(総会の権能)
総会は、本規約で別に定めるもののほか、本研究会の運営に関する重要な事項について決議する。
第14条(総会の議決)
1.総会の議事は、本規約で別に定めるもののほか、出席会員の過半数をもって決し、可否同数のと
  きは、議長が決するところによる。
2.会員は、各議決事項について1個の議決権を有する。
3.総会に出席できない会員は、書面をもって他の会員1名にその議決権の行使を委任することがで
  きる。
第15条(総会の議事録)
総会の議事の要領及び結果については、議事録を作成し、議長及び総会で選出された会員2人が記名押印しなければならない。

第4章 役員

第16条(役員の種別及び員数)
1.本研究会に、次の役員を置く。
 (1)世話人 50人以内
 (2)監事 3人以内
2.世話人のうち、1人を世話人代表、3人以内を世話人副代表とする。
第17条(役員の選任等)
1.世話人及び監事は、総会において会員の中から選任する。
2.世話人代表及び世話人副代表は、世話人の互選により選定する。
3.世話人及び監事は、相互にこれを兼ねることができない。
第18条(役員の職務)
1.世話人代表は、本研究会を代表し、業務を統括する。
2.世話人副代表は、世話人代表を補佐し、世話人代表に事故があるとき又は世話人代表が欠けたとき
  は、世話人代表があらかじめ指名した順序に従いその職務を代行する。
3.世話人は、世話人会を構成し、本研究会の業務を執行する。
4.監事は、次に掲げる業務を行う。
 (1)会計及び財産状況を監査すること
 (2)世話人の業務執行状況を監査すること
 (3)会計若しくは財産状況又は世話人の業務執行について不正の事実を発見したときは、これを総
    会に報告すること
 (4)前号の報告をするため必要があるときに総会の招集を請求すること
第19条(役員の任期)
1.役員の任期は、就任後第2回目の通常総会の終結の時までとする。ただし、再任を妨げない。
2.補欠又は増員により選任された役員の任期は、前任者又は現任者の残任期間と同一とする。
3.役員は、辞任又は任期満了後においても、後任者が就任するまでは、その職務を行わなければなら
  ない。
第20条(役員の解任)
役員が次の各号の一に該当するときは、総会において、出席会員の3分の2以上の多数の議決に基づき解任することができる。この場合、当該役員に対しては、議決の前に弁明の機会を与えなければならない。
(1)心身の故障のため職務の執行に堪えられないと認められるとき
(2)職務上の義務違反その他役員としてふさわしくない行為があると認められるとき
第21条(顧問)
1.本研究会に、顧問を置くことができる。
2.顧問は、世話人代表が、世話人会の承認を得て委嘱する。

第5章 世話人会

第22条(世話人会の開催)
世話人会は、毎年1回以上開催する。
第23条(世話人会の招集)
1.世話人会は世話人代表が招集する。
2.世話人会を招集するときは、会議の日時・場所・目的及び審議事項を明らかにして、少なくとも会
  日の7日前までに、その旨を通知しなければならない。ただし、世話人代表が緊急に開催する必要
  があると認める場合及び世話人全員の同意がある場合はこの限りでない。
第24条(世話人会の議長)
世話人会の議長は、世話人会でこれを定める。
第25条(世話人会の権能)
1.世話人会は、全ての世話人をもって構成する。
2.世話人会は、本規約で別に定めるもののほか、次の事項について決議する。
 (1)総会に付議すべき事項
 (2)総会の決議した事項の執行に関する事項
 (3)その他総会の決議を要しない、本研究会の業務執行の決定に関する事項
第26条(部会及び委員会)
世話人会は、本研究会の目的を達成するために、必要に応じて部会及び委員会を設置することができる。
第27条(準用規定)
本規約第14条及び第15条の規定は、世話人会について準用する。ただし、これらの規定中「総会」及び「会員」とあるのは、「世話人会」及び「世話人」とそれぞれ読み替えるものとする。

第6章 規約の変更

第28条(規約の変更)
本規約を変更するには、総会において、出席会員の3分の2以上の賛成を得なければならない。

第7章 資産及び会計

第29条(資産の構成)
本研究会の資産は、次の各号に掲げるものをもって構成する。
(1)会費
(2)助成金及び寄附金品
(3)資産から生じる収入
(4)事業に伴う収入
(5)その他の収入
第30条(資産の管理)
本研究会の資産は、世話人会の定める方法により、世話人代表が管理する。
第31条(経費の支弁)
本研究会の経費は、資産の中から支弁する。
第32条(事業計画及び予算)
本研究会の事業計画及びこれに伴う予算は、通常総会の決議を経て決するものとする。
第33条(事業報告及び決算)
1.本研究会の事業報告については、通常総会に報告しなければならない。
2.本研究会の決算は、毎事業年度終了後、収支決算書、貸借対照表、財産目録を作成し、監事の監査
  を受け、通常総会の承認を受けなければならない。
第34条(事業年度)
本研究会の事業年度は、毎年4月1日より翌年3月31日までとする。

附則

第1条(施行期日)
本規約は、本研究会成立の日から施行する。
第2条(入会に関する特則)
本規約第6条第1項の定めにかかわらず、本研究会に入会を希望する者が、平成29年3月31日までに世話人会に入会申込書を提出するときは、会員2名の推薦を要しない
第3条(最初の事業年度)
本研究会の最初の事業年度は、本研究会の成立の日から平成29年3月31日までとする。
第4条(最初の役員)
本研究会の最初の役員は、次のとおりとする。
世話人(世話人代表) 武川 幸嗣(慶應義塾大学法学部教授)
世話人(世話人副代表) 石田 剛(一橋大学大学院法学研究科教授)
岡田 潤一郎(日本土地家屋調査士会連合会副会長)
長谷川 清(日本司法書士会連合会副会長)
世話人 秋山 靖浩(早稲田大学法学学術院教授)
大場 浩之(早稲田大学法学学術院教授)
小西 飛鳥(平成国際大学法学部教授)
田高 寛貴(慶應義塾大学法学部教授)
水津 太郎(慶應義塾大学法学部准教授)
西 希代子(慶應義塾大学大学院法務研究科准教授)
藤巻 梓(静岡大学人文社会科学部法学科)
岩井 英典(日本司法書士会連合会常任理事)
船橋 幹男(日本司法書士会連合会司法書士総合研究所所長)
鈴木 龍介(日本司法書士会連合会学会設立準備委員会委員長)
後藤 力哉(日本司法書士会連合会学会設立準備委員会委員)
小林 武人(日本司法書士会連合会学会設立準備委員会委員)
野上 英則(日本司法書士会連合会学会設立準備委員会委員)
監事 内藤 卓(日本司法書士会連合会学会設立準備委員会副委員長)

上、日本登記法研究会の創立のため、発起人全員で本規約を作成する。 平成28年12月21日

発起人代表 武川 幸嗣
                         発起人   石田  剛
                       発起人   秋山 靖浩
発起人   大場 浩之
発起人   小西 飛鳥
発起人   田高 寛貴
発起人   白石  大
発起人   水津 太郎
発起人   西 希代子
発起人   藤巻  梓
発起人  岡田 潤一郎
発起人   長谷川 清
発起人   岩井 英典
発起人   船橋 幹男
発起人   鈴木 龍介
発起人   内藤  卓
発起人   後藤 力哉
発起人   小林 武人
発起人   野上 英則